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子ども会と個人情報の保護

※平成19年2月11日の子ども会学会で発表したものです。

平成17年4月から、個人情報の保護に関する法律(いわゆる個人情報保護法)が施行されました。
これは、様々な個人情報の取扱いに関するルールが定められたもので、違反すれば罰則もあります。

これができてから、世間では、「個人情報」の取扱いについて、非常にシビアになってきています。

「個人情報って怖いものなんだ」
「個人情報は隠したほうが良いものだ」

こうしたイメージが根強く出てきました。
各地で、名簿は作れないor作らない、連絡網を作れないなどということが起きているといわれています。

これでは、子ども会やジュニアリーダーで、誰が入会しているのかわかりません。
地域や、仲間の「つながり」を大事にしている子ども会が、子ども会の良さである「つながり」を失ってきているのではないでしょうか。
少子化の進行以上に子ども会数や子ども会会員数を減らす一員になっていないでしょうか。
こうしたことを、法の趣旨や解釈を踏まえながら、考えてみます。

また、こうした「活動に直接関係のない部分」は、全国子ども会連合会、子ども会学会などが積極的に関与し、ある程度不安を取り除くような働きかけをすべきではないでしょうか。
そこで、全国の子ども会で、「個人情報をこう扱っていれば安心なんだ」という指針を試作してみました。
(※指針は、まだ完成品ではありません。意見がありましたら、info@jlclub.netまでどうぞ。)

興味のある方は、ぜひ続きを読んでください。


1 子ども会における個人情報の取扱いの現状
  インターネットサイト「子ども会コミュニティセンター」でのアンケート調査(2月7日現在)
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 【解説】
 サンプル数は少ないのですが、全員を載せた名簿を全員に配付している団体の7割以上が、本人に何も確認せずに名簿に電話番号を掲載しています。
 個人情報保護法上は、「本人の同意を取る」か、「希望しない場合は削除することを明記する」ことが必要なので、少々問題のある状態のままのところが多いようです。
 また、個人情報の取扱いについて、悩みを伝えてくれたところもいくつかありました。
 それでは、そもそも個人情報保護法とは、どのような法律なのでしょうか。
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2 個人情報保護法の概要
ア 目的

第1条 この法律は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする

  ⇒×個人情報を隠すことを奨励する法律
   ○個人情報の保護と利用のバランスを図る法律

自分の情報を自分でコントロールする権利=「自己情報コントロール権」の確保を図るため、基本的なルールを定めたのが個人情報保護法である。

イ 「個人情報」の定義

第2条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。

 ⇒ 例えば、「山田太郎さんは、ニコニコテニスサークルに所属している鉄道好きです。」という文書があった場合、「ニコニコテニスサークル」や「鉄道好き」といった情報も、この法律の「個人情報」にあたる。

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【解説】
個人情報保護法には、1条に書いてあるように「個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定める」ものですが、子ども会はこれにあてはまるのでしょうか。
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ウ 「個人情報取扱事業者」の定義

第2条 第2項は省略
3  この法律において「個人情報取扱事業者」とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。
↑ここで言う「事業」は、営利事業を行っている者に限られない。NPOのような非営利事業を行う者も含まれうる。
(宇賀克也著「個人情報保護法の逐条解説(第二版)」有斐閣 2005年 pp.37参照)

 (1) 国の機関
 (2) 地方公共団体
 (3) 独立行政法人等(略)
 (4) 地方独立行政法人(略)
 (5) その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者
○個人情報の保護に関する法律施行令(個人情報保護法に関する政令)
第2条 法第2条第3項第5号の政令で定める者は、その事業の用に供する個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数(当該個人情報データベース等の全部又は一部が他人の作成に係る個人情報データベース等で個人情報として氏名又は住所若しくは居所(地図上又は電子計算機の映像面上において住所又は居所の所在の場所を示す表示を含む。)若しくは電話番号のみが含まれる場合であって、これを編集し、又は加工することなくその事業の用に供するときは、当該個人情報データベース等の全部又は一部を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数を除く。)の合計が過去六月以内のいずれの日においても五千を超えない者とする。

 ⇒ つまり、過去6ヶ月以内のいずれの日においても、保有している個人情報の個人の数が5,000人を超えない場合は、「個人情報取扱事業者」に該当しない。

個人情報取扱事業者にあてはまるか
× 単位子ども会・ジュニアリーダークラブ
△ ○○地区連合子ども会
△ 小規模の市町村子連
○ 中規模以上の市町村子連
○ 全子連・都道府県子連

  ⇒ ただし、個人情報取扱事業者に該当しなくても、同等の取組みが求められており、規模の大小に関わらず、それなりの対応が求められているのが現状である。
 さらに、個人情報保護法の対象ではなくても、「プライバシーの侵害」として、民法で罪に問われる可能性もある。

4 個人情報取扱事業者に求められていること
 ○ 利用目的をできるだけ特定する
 ○ 利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱わない
 ○ 本人の同意を得ずに第三者に提供しない
 ○ 偽りその他不正な手段で取得しない
 ○ 正確で最新の内容に保つように努力する
 ○ セキュリティを確保する
 ○ 従事者・委託先に必要な監督を行う
 ○ 取得したら利用目的を伝える
 ○ 利用目的を本人の知ることができる状態にしておく
 ○ 本人の求めに応じて本人の情報を開示・訂正・利用停止する
 ○ 苦情に対して適切・迅速に対処する

  ※どこの子ども会でも「これさえ守れば安心」という指針が必要
   ⇒活動を充実させるために、こうした活動と直接関係のない部分は、全国子ども会連合会や子ども会学会などが積極的に関与していく必要性がある。
   ⇒そこで、子ども会における「個人情報保護法に対応する指針(個人情報についての決まり)」を検討してみる。

3子ども会における「個人情報保護法に対応する指針(個人情報についての決まり)」の検討

※まだ完成品ではありません。意見がありましたら、info@jlclub.netまでどうぞ。
個人情報についての決まり(案)を見る
入会時の誓約書の例 名簿・連絡網などの例

 (1) 構成について
基本的に、個人情報保護法第4章(個人情報取扱事業者の義務等)を網羅するように作成した。
   ⇒ ただし、明らかに子ども会にはあてはめられないもの(委託先の監督)等は、除外した。

 (2) 利用目的(決まりの「1」)について
子ども会は、各地で特色ある活動を行っていることから、全ての子ども会に全く同じ「決まり」を適用することは難しい。
特に、利用目的(決まりの「1」)については、団体により様々であることが考えられる。
そこで、各団体の実情に応じて項目を増減させることにより、どこの団体でも使えるものを目指した。
例えば、ジュニアリーダークラブの場合で、単位子ども会の「クリスマス会」等にレクリエーションリーダーとして派遣する活動がある場合、1の表に、次の項目が必要となる。

目的
子ども会、児童館などの行事などの手伝い(派遣)のため
提供先
依頼先の子ども会、児童館など
このように、各団体で、現在の活動と、個人情報を収集・活用する場面を洗い出し、必要な場合は、各団体において項目を増減させるものとする。

 (3) 名簿、連絡網などの作成について
名簿、連絡網などは、総務省の通知によると、「あらかじめ本人同意を得る」方法と、「同意に代わる措置を取る(オプトアウト)」方法がある。
今回の指針は、「あらかじめ本人同意を得る」方法を採用したが、各団体の実情に応じて、「同意に代わる措置を取る」方法を検討しても良いと考える。

 (4) 開示・訂正等の請求について
個人情報の開示・訂正等の請求については、ニーズが極めて少ないと考えられることから、「個人情報取扱事業者」に該当するような団体のみに明記するものとした。

参考リンク
 「個人情報保護法は、個人情報をきちんと守っていくためのルールです。(内閣府国民生活局ホームページ)」
 「名簿の作成・配付について(内閣府国民生活局ホームページ)」
 内閣府国民生活局・個人情報の保護のページ

Comments [2]

No.1

市子連で記念誌を作る予定をしています。
歴代の役員の方々の名前を載せようかと考えていますが、個人情報保護法が出来る以前の役員さんもみえます。一人一人に掲載してもよいか確認するのは大変です。勝手に掲載すると個人情報保護法に反するのでしょうか?

No.2

市子連で記念誌を作る予定をしています。
歴代の役員の方々の名前を載せようかと考えていますが、個人情報保護法が出来る以前の役員さんもみえます。一人一人に掲載してもよいか確認するのは大変です。勝手に掲載すると個人情報保護法に反するのでしょうか?

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